俳句の作り方     水澄むの俳句

     水澄むや人はつれなくうつくしく  柴田白葉女しばたはくようじょ

    みずすむや ひとはつれなく うつくしく

 

 

     水澄むが秋の季語。

    「秋はものみな澄み渡る季節であり、水もまた美しく澄む。

    水底まで見えるような湖沼や川の美しさを言う。

    水溜まりや汲み置きの水などには使わない。」

     (俳句歳時記 秋 角川書店編)

    水澄むや人はつれなくうつくしく

 

 

     水澄むや人はつれなくうつくしく

    句意を申し上げます。

    ああ、秋の水が澄み切って美しい。

    私につれなくしている男性の雰囲気も透明感があって美しい。

 

 

     鑑賞してみましょう。

    彼はつれない。

    でも、私(作者)はあの人を嫌いになることはできません。

    だって、彼が身にまとっている風は秋の澄み切った水のように透明だから。

    ますます彼が好きになりそうです。

 

 

     雑踏の街行く人々だって、決して親切ではないけれど優しくはないけれど、ぜんぜん埃っぽくないわ。

    それはきっと秋のせいね。

    近所の澄んだ川の水のように、人々はそれぞれ行きたい方向へ流れていく。

    それは美しいと言うほかないのですよ。

    なぜならつれない人々は秋の産物のようなものだから・・・。

     水澄むや人はつれなくうつくしく

    

 

 

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